「ショックドクトリンー惨事便乗型の資本主義の正体を暴く」、上、下巻、ナオミ・クライン著、岩波書店、2011年発行2013年までに9刷、幾島幸子、村上由見子訳、原注までいれると760ページ。
この本の概略
この本は惨事便乗型資本主義複合体という視点で世界の政治、経済活動を切って見せた書といえる。ある意味グローバリズムの問題点を明確に描いている。著者30代の作品とは思えない力作である。
世界で起こっているショック型惨事、津波(日本やスリランカなど)、地震、テロ、局地紛争、民族紛争、イラク侵攻、民主革命(ソビエト崩壊、社会主義崩壊、南アのアパルトヘイトからの解放など)などに乗じて、その解決プロセスと称して、その地域の国民または民衆を相手にせず、グローバル資本(ほとんどアメリカ、イギリス)を投じて大きな利益を強奪していく戦略とその現実、帰結について書かれている。これだけ詳細な記述は私はまだ見ていない。 “戦争と貧困がいつまでもなくならない理由がわかる。” の続きを読む