ユダヤ、世界と貨幣(一神教と経済の4000年史)、ジャックアタリ著、的場昭弘訳、2015年、作品社
的場昭弘教授の市民講座に出ている関係で読むことになりました。
この本は一言でいえばユダヤ人の苦難の歴史とまた逆にこれからの希望を書いたものといえます。
徹底的にユダヤ人の肯定、擁護であり、彼らの価値観の優れているところを描き切ったものといえるのではないでしょうか。
歴史的な経験もあって、金融実務と国家官僚の実務にたけた人がおおく、その人たちが多くの国で中枢にいて政策立案実行などの実務的な面を取り仕切っていた。ロシア革命でさえリーダー格はほとんどがユダヤ人だった。ユダヤ人の革命といってもよいくらいというのがアタリの説明です。
ユダヤ人は日本におけるキリシタン迫害以上の迫害を時の政府やキリスト教から受けて今日に至っている。その虐殺の歴史とその数字にとことんこだわるのがアタリである。
ここではやはり支配者型宗教のプロテスタント、カソリック、ギリシャ正教などの問題が歴史的に浮かび上がってきます。こういうことの反省なくしてはキリスト教も意味がない、といえます。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は隔ての垣根を取り払えない現実となっています。